去年のアカデミー賞作品賞候補作が(リンカーン以外)どれも面白かったので、今年は初めて発表が楽しみになった。1月半ばに2013年の作品が対象の、第86回アカデミー賞のノミネート作品が発表されて、今年はけっこう見てるので、作品賞のみネタバレせずに予想。
受賞作発表は3月3日です。
ちなみに去年(2012年作品対象)の作品賞候補。
「ゼロ・ダーク・サーティ」→ビン・ラディン暗殺作戦の映画化です。ドキュメント寄りでカタルシスも糞もありませんが、意外にかなり楽しかったです。媚びないことにより、結果エンタメになるという作風です。
ちなみに去年(2012年作品対象)の作品賞候補。
左上から、
「リンカーン」→スピルバーグによる本命作品と言われていましたが、どう楽しめばいいかわからなかったです。ただ、アカデミー賞はおもしろかったで賞ではなく、芸術性と科学性(技術)を支援する賞なので本命なのもわかります。あと投票者である会員に、てか映画界に、ユダヤ系の人が多いらしく、同じくユダヤ系監督作品が強くなるそうです。近年だとアーティスト(2011)です。
でも内容は低学歴にはマジ糞です。ジョセフ・ゴードン=レヴィットの無駄遣いだと思います。ダウンタウンのリンカーン2時間見た方がいいと思います。「ゼロ・ダーク・サーティ」→ビン・ラディン暗殺作戦の映画化です。ドキュメント寄りでカタルシスも糞もありませんが、意外にかなり楽しかったです。媚びないことにより、結果エンタメになるという作風です。
CIAが水責めの拷問をするシーンがタブーらしいけれども、これもアメリカ人以外にはどうあかんのか不明です。もっと爪とかはいだりしてもいいと思います。
★「アルゴ」→受賞。イラン米大使館人質事件を映画化した作品です。エンタメ寄りで、CIAが正義というゼロ・ダーク~とは真逆の映画です。
ベン・アフレックが監督賞ノミネートに入ってなかったため、受賞は無いと番狂わせさせやがりました。監督賞ノミネート作は会員の中の監督が決めるらしく、確かに玄人受けはしない演出だし、20歳そこそこで書いた脚本がアカデミー脚本賞とりやがったし、俳優としても史上最もおもしろい映画アルマゲドン(1998)に出たし、その後調子乗りすぎて干されたバカだし、皆かわいそう、と思って作品賞に投票してあげたのかもしれません。その同情票として挙げた手も、新バットマン役をまかされたことにより、調子乗んなと、怒りの拳として振り落とされます。
「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」→インドの少年が主演の、ファンタジー寄りサバイバル宗教映画です。これ実話?って聞かれるけど、その質問自体がネタバレになるから答えられないという、ある意味泣かせる映画です。
★「アルゴ」→受賞。イラン米大使館人質事件を映画化した作品です。エンタメ寄りで、CIAが正義というゼロ・ダーク~とは真逆の映画です。
ベン・アフレックが監督賞ノミネートに入ってなかったため、受賞は無いと番狂わせさせやがりました。監督賞ノミネート作は会員の中の監督が決めるらしく、確かに玄人受けはしない演出だし、20歳そこそこで書いた脚本がアカデミー脚本賞とりやがったし、俳優としても史上最もおもしろい映画アルマゲドン(1998)に出たし、その後調子乗りすぎて干されたバカだし、皆かわいそう、と思って作品賞に投票してあげたのかもしれません。その同情票として挙げた手も、新バットマン役をまかされたことにより、調子乗んなと、怒りの拳として振り落とされます。
「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」→インドの少年が主演の、ファンタジー寄りサバイバル宗教映画です。これ実話?って聞かれるけど、その質問自体がネタバレになるから答えられないという、ある意味泣かせる映画です。
これぞ映画を見たという感じのラストでした。前田敦子さんは「感動 本当に動物ものには弱いです私」とツイートし、全くラストの意味を理解してませんでした。
「ジャンゴ 繋がれざる者」→普通。黒人奴隷が殺人マシーンに養成される、アメリカの恥部を舞台にした西部劇アクションです。タランティーノ監督は前作イングロリアス・バスターズ(2009)から、映像のオシャレさを捨てたんじゃないかと思います。これはそういう作品だからとかそんなんいらないです。脚本賞受賞です。
「レ・ミゼラブル」→普通。めっちゃ展開早いです。あー無情です。アン・ハサウェイが助演女優賞取った時のわざと驚く態度で、こいつ性格悪いんじゃないか説が出ましたが、俺はプラダを着た悪魔(2006)のインタビュー時点でこいつの性格が糞な事に気付いていました。映画のDVDを千本所有している前田敦子さんは4回観て4度泣きました。
「世界にひとつのプレイブック」→監督・作品・脚本・全演技部門ノミネートの、化け物作品だけど全く客入ってませんでした。メンヘラと癇癪もち美男美女のボロボロ恋愛映画に救われた、というブスブサイクも多いんではないでしょうか鏡みろ。天才監督が『ラブコメ』という、ハードルが下がりきった枠を使って傑作を撮った、エターナル・サンシャイン(2004)のような映画です。
結果、受賞は主演女優のジェニファー・ローレンスのみにとどまりました。本当に演技だけで勝負するやつが出てきたって感じの若干23歳の才女ですが、受賞スピーチの壇上に登る途中、階段で盛大にこけるというアニメっぽさから本当にメンヘラの可能性があります。
「ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~」→貧民の島に洪水がくるお話です。監督は20代で作品賞・監督賞候補です死ね。ファンタジーさが隠し味的に入っているあの感じです。
「愛、アムール」→異例のノミネートの非英語作品です。前々回受賞のアーティストもフランス映画ですが、セリフ無かったんです。
老老介護をテーマに老人の究極の愛、いや究極のアムールを描きます。この変態、ハネケ監督はピアニスト(2001)の方が好きです。むしろピアニストは退屈になるけどマジ見た方がいい作品です。
作品賞候補以外のよかった作品。
「ザ・マスター」→主演男優、助演男優、主演女優ノミネートでしたが外れました。先日亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンは、ジャンゴのエリートチビに助演賞取られました。作品全体に漂う迫力と狂気。近年で一番好きな作品です。老人ばっかの下高井戸の劇場でもウケていたので驚きました。
トムクルも熱心な活動をしていて大塚のピンサロ街に日本支部がある、宗教団体・サイエントロジーの映画です。いつか賢者タイムに「あ、映画見たんすけどー」と、バカのフリして入ってみようと思ってます。トムクルも、え、三千?フェラで?と、大塚の物価はアメージング!と、来訪の度に驚いてると思います。
ゼロ・ダーク~と本作は俺と同い年の、世界的ボンボンの娘、ミーガン・エリソンが制作費を払っています。ありがと。
「ムーンライズ・キングダム」→脚本ノミネート。内容はどれも似たり寄ったりですが、余すとこなくおもしろい作品ばかりのウェス・アンダーソン監督です。前回ロイヤル・テネンバウムズ(2001)でノミネート時は同級生のオーウェン・ウィルソンと共同脚本でしたが、相棒が自殺未遂した今回はコッポラの息子と共同脚本です。タラ同様、持ち味の映像演出(背景ボカさない、カットバックしない)を止めました。何で?
ちなみにコッポラ息子は、こいつと妹を手伝いすぎてCQ(2001)以来、全然監督やってませんでしたが、先日新作がレンタル開始されたそうです。
自殺未遂したシャンハイヌーン。頑張れ(禁句)。
以上が去年です。
今年、本命と言われているのは三つ。「ゼロ・グラビティ」「アメリカン・ハッスル」が10部門ノミネート。ゼロ・グラが技術系、ハッスルが演技・演出系。次いで「それでも夜は明ける」が主演女優賞以外の主要部門で9部門ノミネートです。
作品賞ノミネート
「アメリカン・ハッスル」
「キャプテン・フィリップス」
「ダラス・バイヤーズクラブ」
「ゼロ・グラビティ」
「her 世界でひとつの彼女」
「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」
「あなたを抱きしめる日まで」
「それでも夜は明ける」
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」
ウチ見たのがの五つ。見てないのはどうしようもないのでこの五作品内で予想します。夜は明けるは夢の中で見ました。
見込みが低い順に。
△キャプテンフィリップス
+助演男優+脚色ノミネート(以下技術系は切り捨て)
お子様にワンピースと交互に見せるべき、アメリカの船が海賊に襲われたマースク・アラバマ号事件の映画化です。海賊役のソマリア系が、引くぐらいナチュラルなので暴力団排除条例とか引っかからないか心配になりましたが、悪ルフィは助演男優にノミネートされたので、本業こっちかと安心しました。監督はグリーン・ゾーン(2010)の人です。
社会格差を問題提起してますが、基本アクション映画なので賞は無いと思います。
画像がジャン・レノに似すぎているトム・ハンクスは、アカデミー会員の俳優部会理事で、俳優が全会員の三割を占めるので、アカデミー賞においてかなり権力を持っている様子です。こっちからしたらフォレスト・ガンプ(1995)のイメージしかないです。あの本能のままにする無意識のセックスもっかいやってください。あれめっちゃおもしろかったんで。
△ウルフ・オブ・ウォールストリート
+監督+主演男優+助演男優+脚色ノミネート
『ウォール街狂乱日記 「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生』というバカホイホイのタイトルがついた株ブローカー実録本の映画化です。究極の与沢伝説をひたすらハイテンションで見せまくります。ディカプリオが仲間に質問する「このペンをどうやって客に買わせる?」の答えが、この人たちの生き方を全て表しています。この答え、いつも客側の立場なので本当くやしいです。あと親友がデブでムカつく。
同年プリオがロミオ+ジュリエット(1996)の監督と再び組んだ華麗なるギャッツビーですが、こちらは美術賞候補止まりで、華麗に無かったことにされました。プリオにとってはヘアジャム程度にしかならなかったようです。
狼、編集があまり繋がってないし、伝記物としてはブロウ(2001)の方がいいし、同監督の同系統作品としてはグッドフェローズ(1990)の方がいいし、乱交作品としてはムーディーズファン感謝祭バコバスツアー(2003~2013)の方がいいです。しかし、金・薬・女 オア ダイだけで終わらない、プリオ、スコセッシ監督、そして原作者のエネルギーがみなぎる映画です。ただ、別にアカデミー賞取る映画ではないと思います。
どう頑張って作品&自己をプロデュースをしても主演男優賞を取れないプリオが、いよいよ諦めて今作以降休業するようですが、もちろん今回も取らせないであげてほしいです。
▲ゼロ・グラビティ
+監督+主演女優ノミネート
よく邦題が批判されている、今回の賞で一番有名な映画です。宇宙で遭難する映画なんで、邦題は「ロスト・イン・スペース」でよかったんじゃないでしょうか。
監督のアルフォンソ・キュアロンは、日本映画パシフィック・リム(2013)のギレルモ・デル・トロ監督と同じく、今勢いのあるメキシコ人監督です。有名になった「天国の口、終わりの楽園。」(2001)は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(噛んだら殺す)のアモーレス・ペロス(2000)によるガエル・ガルシア・ベルナルブームに乗っかって輸入されたような作品ですが、確かに伸びしろは、あのときからキュアロンの方があったのかもしれません。マイナスポイントとして『ほとんどがCGの作品は、今後俳優がいらなくなってくる事を暗示させるので、会員の三割を占める俳優は投票しない』と、ニコ生で聞きました。あと脚本賞に入ってないです。でも去年のライフ・オブ・パイのアン・リー監督からの流れで監督賞は取りそうです。
○アメリカン・ハッスル
+監督+主演男優+主演女優+助演男優+助演女優+脚本ノミネート
偽のアラブ人を使って役人を囮捜査したアブスキャム事件を映画化です。とにかくこの監督の前々々作ハッカビーズ(2004)が大大大好きなので、一番頑張って欲しいです。
ユダヤ系監督のデビッド・O・ラッセルは有吉のように一発屋の後、地獄から上がってきた監督です。人は、キリストが復活したよーに、復活した人を応援してしまう習性があるみたいです。
そもそもこの監督はデビューから二作品で、ウェス・アンダーソンと共に、重要なアメリカ監督何人とかに選ばれていた非ヲタの天才にも関わらず(古いのでソース見つからず)、二作目で影響力の強いジョージ・クルーニーにキレて、三作目では女優にキレまくる映像が流出し(「Lily Tomlin Freakout」で検索!)、干されました。しかしその後ザ・ファイター(2010)で、主演もしたマーク・ウォールバーグに拾われ、そこからオシャレコメディを捨て、四作目からは三回連続監督賞・演技部門賞ノミネート。ウォールバーグは人の目を潰したことがあるレベルの武闘派なので、目が命の監督はキレなかったようです。
その高みを目指す演技指導からか、一般的には『俳優に賞を取らせる監督』として有名です。今回も、昨年の世界にひとつのプレイブック同様、出演者を全演技賞にノミネートさせてます。特に助演男優にノミネートされたブラッドリー・クーパーは風俗嬢から絶大な支持を得てます(土井調べ)。中年になって自主から這い上がってきた右端のジェレミー・レナーに至っては、全くこのコンボに乗れてなくて、ごめんなのび太、四人乗りなんだ状態です。
未だにジョージ・クルーニーのオープンないじめが続いているのか、O監督は去年ほぼほぼ無視されましたが、クルーニー不在の今回は堂々と立ったり座ったりしてもいんじゃないでしょうか。あ、あいつゼロ・グラ出てた。O逃げて!
◎それでも夜は明ける
+監督+主演男優+助演男優+助演女優+脚色ノミネート
色んな意味でフリーで活動してたのに、騙されて12年間奴隷になったインテリ黒人の手記が原作です。奴隷の人は字が書けなかった人が多いらしく、手記がこれぐらいしか残ってないそうです。とにかく完成度が高くて、編集、画作り、演技、全てすばらしいです。そして何にも似てません(あえて考えるなら最近のPTA監督っぽいです)。ベネディクト・カンバーバッチとマイケル・ファスベンダーというキてる二人を悪役に置くセンスもキてます。
過激描写は、ジャンゴを見ていたのでそこまで衝撃じゃなかったですけど、それより日本でも北朝鮮に拉致られることがあるそうなので、現実にある恐怖を思い起こしました。
去年のアルゴはジョージ・クルーニーがプロデューサーでしたけど、今作はブラッド・ピットがプロデューサーです。ブラピと元嫁のフレンズ(ややこい)が作った制作会社プランBは、過去にキック・アス(2010)、ツリー・オブ・ライフ(2011)、ジャッキー・コーガン(2012)、ワールドウォーZ(2013)という、てめぇのセンスマジか、というラインナップをコンスタントに制作しています。ブラピは母親がアンチ黒人らしく、それに逆らった親子喧嘩が最高傑作を生み出しました。これだけのものを作れば監督も、お母さんによろしく、っつったでしょう。あとジョー・ブラックによろしく、っつったでしょう。監督はスティーヴ・マックィーンというダレノガレ明美ぐらい名前で得してる人です。一見あの人?
と思わせて
こいつです。何を揉もうとしとるのか。
有力とは言われてますが、やっぱこれもアメリカの恥部だし、アメリカの宣伝をすべき場所では難しいのかもしれません。だからこそ作品賞はもちろん、アカデミー初の黒人監督による監督賞を願います。でもニコ生では『主人公は巻き込まれ型な上、中盤、傍観者になる。史実通りだが創作のタブーを使ってる箇所がある』と、冷静に指摘されてました。
最後に、受賞は無いにしろ期待させられる作品。
「her 世界でひとつの彼女」
マルコヴィッチの穴(1999)からのスタートダッシュが良すぎたのか、最近は失速加減がパない元天才スパイク・ジョーンズ監督です。スピード落ちすぎて菊地凜子ともセックスするようになりました。バベル!っつってます。去年、ザ・マスターで好きになったホアキン・フェニックス主演で、Siriに恋する話のようです。ホアキンはアカデミー賞をディスってるからか、去年は受賞できず、今年は主演候補からも外れました。脚本賞で最有力とのこと。『脚本賞は「ハリウッドへようこそ」という意味が含まれるので、時期的にスパイク・ジョーンズ』と、ニコ生で聞いたので。
また、アメリカンハッスルと今作も例のボンボン娘が金払ってます。ありがと。
herです。
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