2014年3月5日水曜日

アカデミー賞結果

アカデミー作品賞は予想通り、そもそも大方の予想を立てていた人の予想がそうであったが、「それでも夜は明ける」になった。
その他、
監督賞は、アルフォンソ・キュアロン(「ゼロ・グラビティ」)
脚本賞は、スパイク・ジョーンズ(「her 世界でひとつの彼女」)
脚色賞は、ジョン・リドリー(「それでも夜は明ける」)
主演男優賞は、マシュー・マコノヒー(「ダラス・バイヤーズクラブ」)
助演男優賞は、ジャレッド・レト(「ダラス・バイヤーズクラブ」)
助演女優賞は、ルピタ・ニョンゴ(「それでも夜は明ける」)
となった。
技術系は作曲も含めてゼロ・グラビティが7部門総なめし、公開後リア充からの推しが強かったウルフ・オブ・ウォールストリートと、最多ノミネートのアメリカン・ハッスルは全くの無冠に終わった。ディカプリオとO監督、おまえらどんだけ嫌われとるんだということである。
ディカプリオが本当に今後一線を退き環境保護に勤しむのか、動向が注目される。
予想のブログを書いた後にダラス・バイヤーズクラブを見た。今作はエイズで一ヵ月後に死ぬと告知された主人公が、無認可の薬で生き延び、更にそれをバイヤーズクラブで会員に売る、という話。死ぬと告知された日数までのテロップを出し、軽いサスペンスのように淡々と見せていく。そのアンチ人間ドラマ的な冷静さと、医者以外底辺の人しか出ないところが売りである。
主演のマシュー・マコノヒーと、助演のジャレッド・レトが受賞した。そして淡々さが売りのはずだが、彼奴等の「いい表情」をけっこう長く映したりしており、結局は人間ドラマじゃねーかと、そこが残念ではあった。このあたりは完全に監督の裁量である。
賞の最初に発表されたのが、ジャレッド・レトの受賞である。主人公とはエイズ感染仲間で、後に仕事仲間にもなるゲイで、ゲイ嫌いの主人公と付かず離れずの友情をみせる。
思い起こされるのが、病気ものではないがヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001)でゲイを底抜けに明るく演じたジョン・キャメロン・ミッチェルである。ヘドウィグと比べて見てしまい、なぜかムカついてきた。ジャレッド・レトの本業はバンドのボーカルのようであり、つーかお前ゲイじゃねえじゃんという先入観も、ムカつきに拍車をかけたのかもしれない。しかしジャレッド・レト、よー見たらエンジェル・フェイスだったのである。エンジェル・フェイスとは、ファイト・クラブ(1999)でボッコボコにされる金髪のタイラー信者である。
その後パニック・ルーム(2002)では強盗犯のリーダーを演じ、いやあんたデビッド・フィンチャー組かいと、なんだ君かぁと、突然彼は許された。
そして主演のマシュー・マコノヒー、直後に日本の連ドラでぱくられた、ウェディング・プランナー(2001)などでゴリゴリのアイドル路線だったが、10年ほど経ちおっさんになり、突然演技派として復活した。心身健康で業界に身を置いている以上は人生何が起こるかわからん現象である。
そのキャラ作り、これはガリ痩せしたことも注目されたが、何より基本電気工のくせにアウトローで性依存症あるというキャラクターがすばらしかった。変に顔が綺麗なぶん、本当ただのヤリチンおじさんにしか見えない。
性依存症と言えば、それでも夜は明けるの監督の前作、SHAME-シェイム-(2011)である。これも、予想のブログを書いた後に見た。それでも夜は明ける同様、とにかく映像のクオリティが高い。照明を全く当てずに夜道を歩いている映画を初めて見た。それが非常に品よく映っていた。内容は、男前の性依存症が、いろんな人とやりたいが為にあらゆるものを失っていく、でも本命だと勃たないという、コメディでありそうな話をひたすら生真面目にみせていく。長回しで会話もリアルである。見ている人の性依存度にも左右されると思うが、自分は物語が進むにつれ、彼の苦しみにこちらも同調しかなり痛くなった。
これだけやっても大赤字で、ビデオ屋ではエマニエル夫人(1974)などと一緒にエロティックの棚にあった。身を削りまくるスティーヴ・マックイーン監督が、これからどうなるかかなり楽しみである。鬱にだけはならんでほしい。一方本家、俳優の故スティーヴ・マックイーンだが、孫がピラニア3D(2010)に出ていることに気付いた。名前はスティーブン・R・マックイーン。ややこしさが増していく。ピラニア3D、内容はリア充たちが地割れから発生したピラニアにボッコボコのグッチャグチャにされる、ホステル(2005)の流れからの拷問系大人数ホラーである。なぜかバック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ(1985~)からドクとジェニファーが出演している。リア充に死んでほしい人には持って来いの映画。連続でピラニア3Dの続編、ピラニアリターンズ(2012)も見たが、こちらの糞映画っぷりは果てしない。久々に全力で失敗してる映画を見た。人がナイロン製のヒモにたまたま首がひっかかって死んだり、その飛んでいった首は血まみれの巨乳にパイズリされたりする。しかも撮影時から3Dで撮られている。本人たちは成功すると思って撮っているのである。一応ドクはまだ出ている。なんならマシュー・マコノヒー並に、いきいきと演技していた。

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