2014年1月10日金曜日

180回目の呪い

工場で無言のメガネと一階の底辺を任されている自分であったが、たまに二階にヘルプに行くと、同じ日本、や同じ建物とは思えぬ人口密度であった。二階は一階と打って変わり、てめぇらこんなにどこに居た、という程、BBAが数十人体制で労働していたのである。冬場大きめの石を裏返すと、その下に作業着を着たBBAがうじゃうじゃしている状況である。彼女達は何歳ぐらいなのか皆目検討もつかぬが、「何年生まれー?」「23年!」という会話が聞こえてきたことがある。ソースがそれしか無いため何の年号かもわからぬまま、「23年!」はBBA共の喧噪の中へとまみれていった、、、
仕事の説明を受けていると、金網の棚越しにBBAが集っていた。背が180近くある聖子ちゃんカットの目の細いBBAが、5,6人のBBAを先導し、
「あーすごいかっこいい人が居る~」「ほらほらーかっこいいー」等と、網越しに自分を指差し女子校のようなキャピキャピ感でもって韓流扱いし始めているのである。
自分はこれに対する適切な返しを持ち合わせておらず、マジなのか現実なのかも判らぬまま、あー眠いんすよーといったような体裁でもって、ただただ無視するという一番愚かな選択をしてしまうのであった。
から騒ぎが治まった後冷静になり、自分は何をしているかという嫌悪感に陥った。なぜ、あのノッポが自分を皆に紹介してくれたのに、あの方達に向けて挨拶一つ出来なかったのか。笑いながら暴言を吐いたり、容疑者のように顔を隠すアクションをするなり、どう転がろうと上手く立ち回れたはずである。
その後一人で作業していると、先ほどの180女性と二人きりですれ違うことがあった。自分は、軽く笑顔を作り会釈したところ、無視された。無視返しだ。こいつ不合格、そんな烙印を押された気がした。彼女は、シモばかり言うのに行為はしない女性と同じく、エロ・金を笠に着てギャグを言う、不二子ちゃんタイプのBBAだったのである。何枚もうわ手であったのかと、自分の未熟さが悔しくなった。
帰り、同じ派遣だが上階に配属されているバツイチ子持ちの石原さんと、たまたまバスから駅まで一緒に帰った。静かな駅で石原さんは、「終わった後はあんなに寒かったのに、もう暑くなっちゃった」と、妖艶に上着を取った。自分はこれに感しても何一つ適切な返しを持ち合わせておらず、マジなのか現実なのかも判らぬまま、ただただ無視してしまった。
偶然にも、彼女は「石原さとみ」という名前だった。何の話だよと思うかもしれないが、悔しいかなただの現実である。
後から考えると「創価ー!」と合点がいった。それは、石原さとみ→私にインシテミル?という意味だったのかもしれない。自分の回転の遅さを悔やむばかりである、、、
翌週、また二階に行った自分は、またあのBBAと同じ棚で二人きりになってしまった。欠員が出る度に、160男と180女の心理戦は糞映画のように続く、、、

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