2014年1月7日火曜日

キムヨナ

森高千里が音楽を止めないのと同様に、TUBEが太陽の季節を止めないのと同様に、工場の飲み会は続いていた。
席替えがあり、ビジュアル系の女の近くに座った。自分はなぜかビジュアル系を多く扱うレコードレーベルの映像編集部間でインターン的なことをしていたので、その旨とその時に覚えたバンド名を言うことにより、彼女に近づこうとしていた。しかしさほど反応は良くなく、実はさほどビジュアル寄りではない旨を通達された。
ではその、ビジュアルよりのビジュアルは何のビジュアルに憧れてビジュアっているのだろうか。
高校卒業後のことを聞いたら、専門学校のアナ学に通って声優を目指していた、という。アナ学とは、アナウンサー及び俳優や声優や芸人を養成する学校である、あると同時に思い切り俺と同じ学校の別の科だった。よりによって声優科というチョイスは、そのビジュアルぶりとコミュ症ぶりのソースを表すのにうってつけの裏づけとなっていた。
好きなアニメを聞いてみたが、「テガミバチ」と、それはガチもガチでもって言ってくれたのあって、こちらがその「テガミバチ」を知らない以上、一緒の学校なのに全く話が盛り上がらないという状態になり、自分にも非があるがダメだこいつ会話できねーわ状態になったのであった。
真剣にこの女が人と会話をしているのをめずらしく思ったのか、派遣を仕切っているハゲが我々に目を付けた。「おーい、性教育教えんなよー!」と、そのハゲはその糞サブさでもってスズメバチのような攻撃をしてきたので、「そんなこと言ってないっすよー」と、言いながら顔をビジュアルに戻し「まんこがー」とやや大きめのトーンで言うことによって、その場を終わらせた。その性器名は曲線を描くフィギュアスケーターのような静寂さでもって終焉を演出してくれた。
その後カラオケで、女は、ラルクのwinter fallを熱唱したという。

0 件のコメント: